株式会社設立の流れについて説明します。
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1.会社の基本事項を決める
まずは、会社の基本事項を決めていきます。順を追って説明していきます。
1-1.商号
類似商号の規制が撤廃されましたので、同一住所で同一商号でなければ、登記可能なため、以前のように類似商号調査は必要 ないとの意見もありますが、マンションなどで登記する際、別の同名会社が部屋番号をつけずに登記していたり、実際は活動していない休眠会社が同一住所に存 在していたり、などの可能性も考えられます。
また同一地区町村に似た商号があると不正競争防止法などで商号使用の差し止めや、損害賠償請求をされる可能性 もあります。
念のために商号調査は行うほうが良いでしょう。
使用できる文字
名前の最初、又は最後に株式会社をつける
※支店、支社など会社の一部をあらわす名称、銀行でないのに、~銀行、有名企業と紛らわしい商号、公序良俗に反する名称は認められません。
1-2.事業目的
起業の際に始める事業については網羅しておく必要があります。また将来的に行う予定である事業があれば事業目的に含めておく方が良いでしょう。
事業目的を検討する際は、「明確性」「具体性」「営利性」「適法性」を満たしている必要がありますので注意してください。
また、事業内容によっては許認可が必要な業種もあるので調べておきましょう。
EX:建設業、飲食業、風俗業など。
具体的にな記載(表現)については商号調査の際に管轄法務局で確認しておくといいでしょう。
営業許可が必要な事業
- 旅行業
- 第1種、第2種、第3種があります。第1種は国土交通省の所管、第2、第3は都道府県知事の所管です。
- 第1種旅行業者は 基準資産額3000万円以上が必要で、総合旅行業務取扱管理者資格を保有する者を各営業所に置かなければなりません。
- 第2種旅行業者は 基準資産額700万円以上が必要で、海外旅行を扱う場合は総合旅行業務取扱管理者資格を保有する者を各営業所に置かなければなりませ ん。国内旅行のみを扱う事業者の場合は国内旅行業務取扱管理者資格を保有する者を各営業所に置く必要があります。
- 第3種旅行業者は 基準資産額300万円以上+営業保証金が義務付けられています。
- 営業保証金の額
第1種7000万円、第2種1100万円、第3種300万円 - 基準資産額
資産合計-負債合計-営業保証金額又は弁済業務保証金分担金額-(不良債権、繰延資産等) - 設計事務所
- 建築設計事務所は建築士法によって建築士事務所登録をしなければならないため、事務所所在地を管轄する都道府県に登録する必要があります。また建築士の資格者が必要になってきます。
- 人材派遣業
- 厚生労働省に労働者派遣事業の許可を受ける必要があります。
- 事務所のうち、派遣事業に使用する面積が概ね20m2以上
- 派遣スタッフは社会保険、労働保険加入
- 基準資産額(資産総額-負債総額)が1000万円以上かつ負債総額の7分の1以上
- 自己名義の現預金が800万円以上
- 3年以上の雇用管理経験を有する者を派遣元責任者として選任
- リサイクルショップ等
- 一度使用された物品で、衣類、時計、書籍などを売買するには公安委員会の許可を受ける必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
- 海外食品の輸入
- 食品衛生法に基づき輸入の届出が必要。
食品、添加物、器具、容器、包装及び乳幼児を対照とするおもちゃが対象です。 - 喫茶店等
- 保健所に営業許可申請をする必要があります。また食品衛生責任者をおくことも必要です。お店の工事が完了する10日前には申請書類を提出し、保健所と打ち合わせをし、お店の検査を受けます。
- スナック、バー等
- 飲食店の営業許可を保健所で取り、午前0時から日の出時間まで営業する場合「深夜酒類提供飲食店営業」の届出も必要になります。
さらに営業形態によっては風俗営業の許可も必要になりますので注意が注意が必要です。 - 美容院、理髪店等
- 住所、構造設備、管理者、従業員の氏名等を店の所在地を管轄する保健所に届出をします。
- ペットショップ等
- 動物取扱業者(動物の販売、保管、貸し出し、訓練、展示を業として行う者)は都道府県知事の登録が必要です。登録には飼養施設の配置図や付近の見取り図、動物を飼養・保管する設備、給水、洗浄、消毒などの書類が必要です。
また事業所ごと、業種(販売、保管、貸し出し、訓練、展示)ごとに登録が必要です。
登録を受けた事業者は動物取扱責任者の選任及び都道府県知事等が行う研修会の受講が義務付けられます。 - ペンション経営
- 宿泊業、飲食業の営業許可が必要ですので保健所に申請する必要があります。
1-3.本店所在地
自宅や賃借した事務所、レンタルオフィスなど色々考えられます。 起業当初からある程度の売上が見込める場合は別ですが、ある程度事務所などを借りる際は家賃、敷金、礼金なども掛かってきますので慎重に選ぶようにしましょう。
また、自宅がマンションやアパートの場合、賃貸借契約上、事務所利用が認められない場合も考えられますので、後々のトラブルを避ける意味でも確認が必要です。
1-4.設立時の資本金
資本金の規制が撤廃されたため1円から起業が可能になりました。
しかし実際は設立費用だけで25万以上掛かってしまいますし、資本金を元手に事業を行っていくため、資本金の設定は慎重な検討が必要です。
また、資本金は融資を受ける際や取引先起業が取引を開始する際に登記簿謄本で資本金を確認することも考えられます。
あまりに少ない資本金だといいイメージを持たれないかもしれません。
1-5.出資者(発起人)を募る
会社の設立には発起設立と募集設立の2つの方法があります。
募集設立は一般から株主(出資者)を募るため手続きが非常に煩雑です。
また外国企業の日本法人設立など、一部でしか利用されていないためここでは割愛します。
発起設立の場合「設立時の資本金」で決めた資本金を発起人で負担します。
出資の額は「1株の金額×株数」で計算しますが、1株5万円や、1万円で計算されるのが一般的です(特に決まりはありません) 。
発起人は当然株主になりますので自分自身が経営する場合、最低でも過半数、重要事項の決定権も考えたら3分の2は出資しておくのが理想です。
また自分自身で事業に必要な出資金が準備できない場合、第三者に「融資」をお願いする手も考えられます。出資をお願いすると、株主として経営に参加されますが、融資だとそれを防ぐことが出来ます。
ただし、融資だと返済の義務があり、出資だと返済の必要はなくなります。 どうしても現金が用意できない場合は現物出資(不動産、車など)という方法もありますが、 手続きは煩雑になります。
1-6.機関設計と役員
今回の改正で取締役会の設置が原則必要なくなりましたので、以前のように名前だけ役員としてお願いする、などの必要はなくなり1名の取締役で会社を設立できます。
今後は以前の有限会社に似た形態として株主総会+取締役というスタイルが増えてくると思われます。
1-7.事業年度
事業年度は会社の決算月をいつにするかです。
1年以内であれば特に制限はありませんが、手続きが煩雑なため普通は1年単位です。
日本の場合は4月?3月末というのが一般的ですが、特に決まりはありませんので、会社の繁忙期を避けたり、設立時からなるべく決算月を遅らせるというのも考えられます。
例えば2月に設立して事業年度を3月末に設定している場合はすぐに決算の必要がありますので注意してください。
1-8.会社の印鑑作成
商号調査をして問題が無ければすぐに印鑑を作成しましょう。
代表社印(会社実印)以外の作成は任意ですが後々必要になるものなので、まとめて作ってしまうのが理想です。
またゴム印は住所など分割して利用できるものが便利です。
1-9.発起人と役員の印鑑証明取得
発起人と役員(取締役全員。取締役会がある場合は代表取締役のみ)になる人が決まったら印鑑証明を取得してもらいましょう。
発起人の印鑑証明は、定款認証の際に。
役員の印鑑証明は設立登記の際の添付書類になります。
発起人と役員が同一人物の場合は2通必要になります。
印鑑証明書には期限がありますので注意してください。
また設立書類を作成する際は印鑑証明書の氏名・住所のとおりの記載が要求されますので注意してください。
なお、紙ベースの定款の際は定款に設立時の取締役の記載があり、発起人と同一の時は登記申請時の就任承諾書(印鑑証明書添付)は不要になりますが、電子定款の場合は発起人の押印が出来ないため、就任承諾書(印鑑証明書添付)は必要になります。
2.定款の作成と認証
当事務所とお客様で打ち合わせをし、「1.会社の基本事項を決める」で決定した事項を元に定款を作成します。
電子定款に対応しておりますので、指定公証人の下で認証を受ければ印紙代4万円が不要になります。
3.出資金払い込みと、取締役(監査役)の調査
代表の発起人が出資金を集め、銀行に入金します。
発起設立では銀行の出資払込保管証明書は不要になりましたので、代わりに銀行通帳のコピー(裏表紙・払込金融機関名と、氏名、口座番号、口座名義人が記載されているもの)と実際に払込金の振込みの記載があるページのコピーをとります。
4.設立登記
管轄法務局にて設立登記をし、補正日に補正が無ければ、申請をした日が会社の設立日になります。
同時に印鑑カードを作成しましょう。
5.官公署への届出
官公署へ届出をします。以下の項目をご参照ください。
- 電子定款とは
- 設立後の届出について
- 設立費用



